Paul Templeピサック救援活動ブログ(日本語版)

2010年4月24日土曜日

カカコーリョ村への帰還 vol.3




これらは避難キャンプの上部に設置されている避難小屋。これは動物用の小屋では無い。人間用の避難小屋なのだ。


殆どの家を失った住民たちはすでに市営の防災組織のテントに移っている。いくつかのテントにはビニールシートで覆われている。これらは山岳用のテントでは無いので、雨漏りがする。床に縫い付けられたマットがあるわけでも無い。ユーカリの木の枝とビニールシートで構成されたマットレスが、泥だらけの地面から難をしのいでいるだけだ。これは見ていて辛い。


実際に現地ではどのような必要に迫られているのか・・・。これを正確に把握しようとしているところだ。そしてどの程度の期間、どのくらいの予算が必要なのか。また実際の収穫量やタイミングも考慮する必要もあり、これは実際には天候とも密接不可分な関係にある。今ざっと僕の中で言えることはこうだー

食糧の支援はトウモロコシの収穫時期になるまで必要だ。収穫は5月の中旬あたりから始まり、6月の終わりには収穫を終える。楽観的にみても6月中旬もしくは下旬ぐらいになるだろうか。乾季(レンガ造りの季節)は4月から始まる。建築用の道具類、つるはし、ショベル、「ランパ」と呼ばれる木製の型に泥と水を練ったものを入れるための道具、そして手押し車なども1台か2台は必要になるだろう。 4月か5月には建築を始める必要がある。そして彼ら自身で生産できない釘やワイヤー、「カリッツォ」と呼ばれる屋根裏用の竹で出来た建築用資材も必要になるだろう。 「テジャス」と呼ばれる伝統的な粘土で出来たタイル、なるべく軽いブリキ板などなど。(しかし実際の方法論ではこれらの資材を最適活用するには、彼らが独自に行っている建築方法を少し洗練する必要があるかもしれない・・・)そしてその都度発生する雑費もろもろ。予測の範囲内/外を問わず、診療が必要になる状況もあるかもしれない。ラヤニヨック地区裏にある木材置き場からユーカリの木で梁を収穫できるだろう。だが輸送費のこともある。トラックの一台や二台。チェーンソー要員、ガソリン代、オイル代・・・。これはまだまだ骨子の段階。本当に必要最低限のレベルの見積もりだ。彼らが独立して自治にあたり、これらの試算を考慮することで、自分たちの足で立ち上がることを支援せねばならない。その一番の筆頭課題はー食糧、そして住居、窓やドアは、また彼ら自身で試算してもらわねばならない。


結論から言うと、やはりコストの問題だ。今僕の手元には6000~7000ドル相当の尊い寄付金がある。食糧をあてがう限りにおいては十分だ。(もちろん仮に追加の予算があるとしても、彼らの生活水準を上げ、疫病の脅威から守るためには免疫力の向上が欠かせないので、まずは食糧支援に重点を置きたい。)同じくらいの金額が、建築用の道具類に必要とされるだろう。12,000~15,000ドル(約120~150万円相当)あれば十分だろう。もうすでに半分満たされている。そして僕らの友人からの助け(特に最近は「友達の友達」からの・・・)が拡がっていけば、十分目標を達成することが可能だ、そう確信している。この災難に出くわした魂の心に喜びと慰めをもたらすには十分な支えだ。


このペルーでの災害を大きく上回るスケールでの被害がチリ、ハイチといった全世界中で日常茶飯事となってしまった今の世界において、上であげたような支援の要請は賞味期限の短いものかもしれない。でもこのようなちっぽけで名も無い、しかし大きなハートの先住民の隣人たちは、彼らなりの方法で、僕を彼らの中心に招きいれてくれている。 Muchas Gracias para mi compadres. Muchas Gracias Pachamama. (父なる神、そして母なるパチャママに感謝)


試練の時期だ。ひたすら天候のために祈り、ケチュアの兄弟姉妹たちの幸せのために祈る。摂取、及び就寝のパターンが乱れ、彼らの状況が最近は頭から離れない。自分のエネルギーを効果的で、バランスが取れたものに保つように、注意せねばならない。数時間ほど庭であたたかな日差しが降り注ぎ、植物の世話をすることは、何より疲れた心を癒やし、地に足の着いた状態へと戻してくれる。


僕の個人的なエネルギーの整え方はインドの教えから学んだものが多い。ヨガ、サンスクリット聖歌、瞑想、ヴェダンタ哲学などが、気分の移ろい易さなどから遠ざけ、中心に戻してくれる。インドの精神性は僕を整え、準備万全にしてくれている。そしてペルーは他者をおもいやることに関する教えを与えてくれているのだ。

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